一般質問・答弁書 平成20年12月定例会
質問事項
7 公教育の維持について
(1)教員のメンタルヘルス対策について
(2)団塊世代の大量退職期への対応について
質問要旨
●メンタルヘルス対策に関する文部科学省の委託調査に埼玉県の教員・教委は参加したのか。
●調査結果と埼玉県の現状に違いはあるのか。
●この問題に対する埼玉県の対策はどのように進められているのか。
●団塊世代の大量退職期にあたり、若い教員への教育スキルの伝承について、どのような対策を講じているのか伺います。
【答弁者】 教育長
答弁要旨
次に、御質問7 「公教育の維持について」の(1)「教員のメンタルヘルス対策について」お答えを申し上げます。
まず、「メンタルヘルス対策に関する委託調査への本県の参加」についてでございますが、この調査は、全国の公立小中学校のうちモデル校66校の教員への調査と、併せて、全ての市町村教育委員会へのアンケート調査として実施されました。
本県の小中学校はモデル校には含まれておりません。市町村教育委員会においては十数団体が回答していると伺っております。
次に、「調査結果と本県の現状の違いについて」でございますが、本県におきましても教員の精神疾患による休職者は、平成17年度と18年度がともに198人、平成19年度が219人、と増加しております。
本県の現状を、この調査結果に照らして一概に申し上げるのは、難しいところでございますが、全国の状況と同様に、メンタルヘルス対策は、本県におきましても、重要な課題であると認識をしております。
次に、「本県における対策」でございますが、県内7カ所の医療機関に委託し、教職員が気軽に相談できるよう教職員メンタルヘルス相談を実施しております。
また、公立学校の校長や教頭などを対象として、心に悩みを持つ教職員に対する接し方など、実践的な研修を行っており、今年度からは、この研修会に市町村教育委員会の担当者の参加も求めているところでございます。
また、教員が多忙であることもストレスの原因のひとつと思われます。
そのため、教育局内に「学校における多忙化解消検討委員会」を設置し、各種会議の精選や、調査の見直しなど、教員がより子どもと向き合う時間を確保できるよう検討しております。
年度内にはまとめを行い、教員の多忙化解消のための取り組みを進めるとともに、各市町村教育委員会においても、対応が図られるよう情報提供してまいります。
次に、(2)「団塊世代の大量退職期への対応について」お答えを申し上げます。
教員の大量退職期を迎え、議員お話しのように、長い経験により培われたベテラン教員の専門的な知識やスキルを伝承し、学校の教育水準を維持・向上させることは、重要なことと考えております。
このため、総合教育センターにおいては、教科指導や生徒指導など、様々な分野で指導力の優れたベテラン教員の把握に努めており、若手教員を対象とした各種研修の講師として、積極的に活用しております。
また、各学校で取り組んでいる校内研修においても、校内や地域において優れた教育実践を積み重ねたベテラン教員を、指導者として活用しております。
平成16年度からは、退職した管理職を小・中学校の初任者研修の指導教員として再任用し、長年培った経験を初任者に対する研修に生かしているところでございます。
また、平成18年度からは「退職教員講師派遣プロジェクト」を実施し、退職教員146人を教育局内に登録し、市町村教育委員会の研修会や校内研修などの講師として、派遣しております。
今後とも、これらの取組をさらに進め、教員の大量退職期において、ベテラン教員がもつ優れた指導力を若手教員に適切に伝え、学校の教育水準の維持・向上に努めてまいります。