一般質問・答弁書1

一般質問・答弁書   平成22年12月定例会

質問事項

1 国民保護の推進について

 

質問要旨

国民保護についての理解をどう県民の中に定着させていくのか。知事の決意を伺いたい。

 

 

【答弁者】 知事

答弁要旨

 中屋敷慎一議員の御質問に、お答えいたします。

 

 まず、「国民保護の推進について」のお尋ねでございます。

 第2次世界大戦以降、我が国は他国との武力衝突をしておらず、平和な環境で繁栄を謳歌してまいりました。

 しかし一方では、先般の御指摘にありましたように、北朝鮮による韓国ヨンピョン島砲撃事件に見られますように、東アジアの安全保障については緊迫の度を増しております。

 

 また、現実に地下鉄サリン事件が化学テロとして現に起こっていたことは事実であります。

 

 日本においても、いつ武力攻撃を受けたり大規模テロが発生したりするか、予断を許さない状況だというふうな認識を持っておいた方がいいと思います。

 

 そこで、残念ですが、県民から見ると武力攻撃や大規模テロというのは、地震などの自然災害に比べて極めて身近ではなく、なかなか現実味を持っておらないことも事実だと思います。

 

 そのため、県では平成17年度以降、毎年市町村との共催で大規模テロを想定した国民保護の実働訓練を実施してきました。

 先日も、中屋敷議員にも御参加いただきました鴻巣市、北本市と共催で住民の避難誘導を中心とした実働訓練を実施しています。

 

 訓練に参加した住民へのアンケートでは、約6割の方が国民保護措置のことを知らずに訓練に参加したそうであります。

 

 しかし、訓練を終えて9割以上の方が極めて参考になった、今後も住民が参加する訓練を実施した方がよいという回答もいただいております。

 

 こうした訓練を毎年繰り返し実施し、多くの県民の方々に体験していただくことが極めて大事だというふうに思っております。

 

 そういう意味で、今後とも、様々な想定の下、緊迫感をもった実働訓練を実施していきたいと思っております。

 

 しかし、今年度単独で国民保護の訓練を実施する市町村が県内でわずか2市ということになっておりますし、県は毎年、一つの市を中心にやっておるという現況でございますので、なかなか浸透しないというのも御指摘のとおりであります。

 

 そこで県は、来年2月に国、上尾市と共催で国民保護図上訓練を実施いたします。

 

 その成果を踏まえ、全市町村の危機管理担当部局を対象に国民保護訓練の研修会を開催し、市町村職員の危機意識の向上を図るとともに、訓練実施の要請や支援というものを行っていきたいというふうに考えております。

 

 こうした訓練を重ねることで、いざというときに県民の皆様が大混乱に陥ることなく、より落ち着いた避難行動を取っていただけるようになるものだと思っております。

 

 たとえ人数は少なくても、こうした訓練を受けた人たちが20人、30人というグループの中で、一人でも訓練を受けた人がいれば、その20人、30人の人たちにとっては、よりリスクを減らすことを考えられる、こういう意味が出るのかなということで、地味ではありますが、これからも丁寧に市町村と協力をしながら、実働訓練というものを丁寧に進めていきたいと考えております。

 

 

  

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