一般質問・答弁書 平成22年12月定例会
質問事項
2 教育問題について
(1)近現代史教育の充実について
質問要旨
●領土・領海などの理解を含めた近現代史を正しく学ぶことの重要性について、知事の御所見を伺いたい。
●東京都や神奈川県で「日本史」の必修化が2012年から始まることに関する知事の感想をお聞かせいただきたい。
【答弁者】 知事
答弁要旨
次に、「教育問題について」のお尋ねのうち、「近現代史教育の充実について」でございます。
まず、領土・領海などの理解を含めた近現代史を正しく学ぶことの重要性についてでございますが、国際社会がグローバル化すればするほど、逆に日本人としてのアイデンティティ、こうしたものを協力に持つことが私は大事だというふうに常日頃から思っております。
また、日本は、かつて植民地化が進むアジアの中で唯一独立を維持し、とりわけ大国ロシアを破ったときなどは、アジア・アフリカの国々に勇気と希望を与えたこともあります。
その後、米国との戦いに敗北したものの、アメリカの良きものを学び、再び経済大国として世界の中に躍り出ることができました。
こうした日本の近現代史を正しく学習することは、国際社会の平和と発展に寄与する日本人を育成するものであり、極めて大切なことだと思っております。
その際、国民・国家という枠組みがこの地球上でしっかり確立されている以上、領土・領海を含めて学習をするのは当然のことであります。
次に、東京都や神奈川県で「日本史」の必修化が2012年から始まることについての感想でございます。
平成18年9月に本県を含む一都三県の教育長が文部科学大臣に日本史の必修化を求める要望を提出しております。
平成19年11月には関東地方知事会からも、大臣に対して日本史の必修化を要望したところでもございます。
私としても、日本史、世界史、共に大事ではありますが、どちらか一つということになれば、当然日本史を選択すべきだというふうに思っております。
しかしながら、平成21年3月に告示されました25年度から実施の新しい高等学校学習指導要領では、従前と同様に世界史が必修で日本史は選択となっております。
このため、日本史を必修化すると他の科目の単位を減らさなければならないという問題も残ってしまう結果になっています。
従って、私は、将来的には、本来、日本史といえども世界の歴史の中でどのような日本の役割があったのかとか、世界との関わりがどのようだったのかということも含めて、ある意味では世界の中の日本史というような形で、世界も含めた形の中の歴史、そういうものを通史として学ぶような体制づくりをすれば、日本史がいいのか、世界史がいいのかとかいう議論ではなくて、いずれも大事だという形の中での整理が出てくるのではないかというふうに考えております。
ただ現状では、こうした必修、選択という課題が残っている以上、なんらかの形で現状を克服するような仕組みを神奈川県や東京都も考えておりますので、教育委員会において、近現代史を正しく学ぶことを総合的に考えて、いい方法をとっていただきたいなというふうに考えているところです。