一般質問・答弁書 平成27年9月定例会
質問事項
5 小規模企業の振興について
質問要旨
●「埼玉県中小企業振興基本条例」は、国の新法である「小規模企業振興基本法」の目指すところをどの程度反映しているのか。
また、小規模企業の振興に向けて、条例改正や新条例制定が求められるのか否か。
【答弁者】 産業労働部長
答弁要旨
従来、国の中小企業政策は、企業の「成長発展」を基本理念とし、中小企業を「成長の担い手」として支援してまいりました。
昨今、企業は、人口減少、高齢化、海外との競争激化、地域経済の低迷といった課題に直面しています。このような中、全国385万の中小企業の約9割を占めます小規模企業がクローズアップされてまいりました。
地域社会や住民生活に密接に結び付き、地域の経済や雇用を支えている、小規模企業が担う役割の重要性が改めて見直されております。
小規模企業振興基本法では、規模の拡大を意味する「成長発展」のみならず、技術の向上や雇用の維持に努めることも「事業の持続的発展」として評価し、基本原則として位置づけられました。
一方県では、制度融資による金融の円滑化を始め、技術開発、販路拡大、経営革新、商店街の支援など、従来から地域の実情を踏まえた、国よりもきめの細かい事業展開を行っています。 制度融資においては、利用者の95%が従業員数20人以下の企業であり、5人以下の企業の利用だけを見ましても75%に及びます。また、経営革新の支援や特許、商標などの知的財産に関する支援につきましても、多くの小規模企業が利用しています。
このように県の施策は、県内中小企業の約88%、15万4,000社の小規模企業に目を向けたものが中心となっております。そのため埼玉県中小企業振興基本条例では、その前文で、「企業の経営の安定と向上」、「将来にわたる成長発展」を目標として掲げており、法律の基本原則となった「事業の持続的発展」の趣旨を先取りしたものとなっています。
さらに法律では、「多様な需要に応じた新事業の展開促進」などの基本的施策が列挙されておりますが、県の条例ではそれらを網羅し、小規模企業振興基本法にはない「海外展開促進施策」についても規定しております。
条例には、法律の基本的理念は既に盛り込まれており、さらに法律で定める施策と方向性も一致していることから、条例の改正や新たな制定の必要性は薄いものと考えております。
今後とも小規模企業の振興につきましては、新しく法律が制定された意義を十分に認識いたしまして、中小企業に関する団体との連携、協力を強化しながら効果的かつ効率的に取り組んでまいります。