一般質問・答弁書 平成20年12月定例会
質問事項
1 地球温暖化対策についてa
質問要旨
●国の温室効果ガス排出量6.2%増加という結果を県としてどう分析しているか、また、京都議定書の削減目標達成国に何を学ぶべきか。
●2010年度までに国を挙げて京都議定書の目標数値を達成するために、県として今までの歩をどのように強化し地球温暖化防止のムーブメントを作り上げようと考えているか。
【答弁者】 知事
答弁要旨
中屋敷慎一議員の「地球温暖化対策について」の御質問に、お答えを申し上げます。
まず、我が国全体での温室効果ガス排出量が1990年比で6.2%増加しているという結果の分析と削減目標達成国に学ぶことについてでございます。
京都議定書の削減目標は、基準年であります1990年にそれぞれの国がどのような社会経済情勢やエネルギー利用の状況にあったかによって、達成の容易さが大きく異なるものでございます。
元々省エネでなかった国とかなり省エネが進んだ国で、おのずからその達成度に違いが生じています。
我が国は当時、省エネルギーの度合いが最も他国に比べて進んでおりまして、2012年までに6%削減するという目標そもそもが高いハードルでございました。
この間、自家用乗用車保有台数が30%以上、世帯数が20%以上増加するなど、運輸、業務、家庭分野のエネルギー使用量の増加が大きく影響したものと思われます。
温室効果ガスの削減が進んでいる国についてみますと、ドイツなどでは太陽光発電の余剰電力を電力会社が高い価格で買い取る制度により、再生可能エネルギーの飛躍的な普及を国が図ってきました。
また、EU諸国では排出量取引制度を導入し、二酸化炭素削減に価格をつけて取引できるようにしました。
このように大きな成果を上げている国では、人々の意識改革とともにそれを具体的な削減へ結びつける制度を導入しています。
こうした国を挙げて徹底して取り組む姿勢は、我が国や本県が地球温暖化対策を進めていく上で大いに参考すべきだと思います。
次に、本県の取組であります。
本県では、これまでも産業系の対策としてはエコアップ宣言、家庭用の対策としてはエコライフDAY、さらに太陽光発電の県有施設への率先導入などの取組を進めてまいりました。
本年度、県では地球温暖化対策の実行計画である「ストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050(仮称)」を策定しているところでございます。
この計画の中で、2020年に温暖効果ガスを現状より25%削減するという目標を掲げ、行政だけではなく県民、事業者NPOなど地域総ぐるみで温暖化対策に取り組んでいきたいと考えています。
このため、計画案では、温暖化対策を推進するための新たな条例の制定を盛り込むとともに、排出量取引制度や建築物の環境性能向上などの新たな制度の創設を目指しています。
また、エコライフDAYの拡大や太陽光発電の普及拡大を一層図るとともに、深夜化するライフスタイル・ビジネススタイルの見直しなどにも取り組んでいく予定であります。
また、国においても太陽光発電などの大幅な補助制度の創設などが必要ではないかと考えます。
こうした一層の取組強化により、目標達成に向けた温暖化対策のムーブメントを盛り上げ、埼玉県における低炭素社会の実現を目指してまいります。