一般質問・答弁書 平成22年12月定例会
質問事項
2 教育問題について
(1)近現代史教育の充実について
質問要旨
●本県教育委員会の高等学校での日本史必修化についての見解を伺いたい。
【答弁者】 教育委員会委員長
答弁要旨
御質問2「教育問題について」の(1)「近現代史教育の充実について」お答えを申し上げます。
私は、教育基本法にもございますように、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことは重要であると考えております。
現行の学習指導要領においては、社会科の学習について、中学校では日本史を中心に学習し、その上で、高等学校では世界史を必修として学習することから、日本史の扱いは、選択となっております。
一方、国際化の進展により、我が国の歴史を学ぶことの重要性はますます高まっております。
そのため、新しい学習指導要領においては、中学校社会科の歴史的分野の授業時間数が25時間増加されるとともに、高校世界史において、日本の歴史との関連を重視することなどの見直しも行われました。
お尋ねの日本史を必修化することは、他の科目の時間数が減ることや、地理および歴史の履修のバランスに影響するなどの課題がございます。
今後、こうした課題の整理を含め、東京都や神奈川県の事例を充分参考にしながら、教育委員会の中で、議論を深めていきたいと考えております。
質問要旨
●独自教材を作成し得る体制や方針が本県にあるのか否か、教育長に伺う。
【答弁者】 教育長
答弁要旨
まず、(1)「近現代史教育の充実について」でございます。
国際化の進展の中で、日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育てるとともに、国際社会において尊敬され信頼される日本人を育成するためには、日本の歴史や伝統・文化に対する理解を一層深める必要があります。
このため、平成20年3月には、県立高校の校長や教員の協力を得て、本県独自の「伝統・文化」に関する科目の指導資料を作成いたしました。
この科目の目標は、我が国の伝統・文化に関する理解を深め、国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを養うとともに多様な文化を尊重できる態度や資質を育むことにございます。
現在、高等学校においては、世界史が必修となっておますが、高等学校の新しい学習指導要領では、この世界史においての日本の歴史との関連が一層重視されることとなっております。
そこで、世界史、特に近現代の歴史の授業において、世界各国と日本とのつながりという横断的な視点を大切にして、日本の歴史に係る重要な事案についてもしっかり学ばせてまいりたいと考えております。
加えて、本年度、現場の校長や教頭を委員とする、歴史及び地理に関する科目等の教育課程を検討する協議会を設置いたしました。
この協議会の場において、さまざまな課題を検討するなどして、本県の近現代史教育の一層の充実をはかってまいります。