一般質問・答弁書 平成24年6月定例会
質問事項
1 正しい日本語(国語)の表記の在り方について
質問要旨
●本県の「子ども」(まぜ書き)表記事情は上田知事の目にどう映っているのか。率直な感想を伺う。
【答弁者】 知事
答弁要旨
中屋敷慎一議員の「正しい日本語(国語)表記の在り方についての」の御質問にお答えいたします。
言葉や表記は時代の流れの中で変化をしている、御指摘のとおりだと思います。
例えば、江戸中期から明治初期までは庶民層を除けば伝統的な漢字が多く使用されておりました。
しかし、いわば社会が発展する過程の中で多くの人たちに文字を学ばせ、書かせたりするために、平仮名やあるいは平仮名との交ぜ書きが多くなってきた、このように思っております。
お尋ねの「こども」という表記は、漢字2文字の表記と「子」が漢字で「ども」が平仮名の交ぜ書き、さらに平仮名だけの「こども」という表記があります。
正直なところ、私は全く意識をしておりませんでした。今回、問題提起をされて、深く考える機会をいただきました。
結論から言えば「子供」ぐらい簡単な漢字を、あえて交ぜ書きにする必要もない、このように思っております。
それから、子供は一般的に親についていくのが自然の状態であります。それからまた、日本ほど子供が大事にされた国は基本的にはありません。こうしたことは、明治時期に来た海外の方々の文献を読んでも、明らかになっています。したがって、「子供」の「供」という漢字については考え過ぎで、一種の自虐史観ではないか、こんなふうに私は思っています。
現在、国の法律文の中で、交ぜ書きで表記された「子ども」、つまり漢字1文字に平仮名の「ども」の交ぜ書きが多く使われております。 つまり、公文書の中でも使用されているという事実がございます。
また、新聞や雑誌などの社会一般ども様々な表記がされておりますので、現状において表記を統一しろという話は難しいかもしれません。
しかし、わざわざ日本人の知的レベルを下げるようなことを公の部門がするのがいいのかどうか、このことについて私は疑問を持っております。
今、中屋敷議員の問題提起がありました。これを真摯に受け止めて、知事部局と教育委員会でこの問題についてしっかり意見交換をして、望ましい表記の在り方について結論を出したいと思います。
質問要旨
●本県の公文例規程をつかさどる総務部として、この問題にどのような所見をもち、どう対処していこうとするのか。
【答弁者】 総務部長
答弁要旨
御質問1「正しい日本語(国語)表記の在り方について」お答えを申しげます。
議員お話しのとおり、県の公文例規程は、公文書に用いる漢字について国の取扱いと同様に常用漢字表によるものとしており、漢字使用の目安を示しております。
現在、県の公文書における「こども」の表記については、必ずしも統一されている訳ではございません。 次世代育成支援対策推進法など国の法律では、漢字と平仮名の交ぜ書き表記が使用されており、こうした法律に基づく県の計画などにおいては、法令に合わせた交ぜ書き表記となっております。
また、通知やパンフレット、県ホームページなどにおいては、漢字表記と交ぜ書き表記の両方が使われております。
さらに、小さなお子さんや外国人を対象とした文書では、全て平仮名表記をしております。また、日常生活では、新聞やテレビ、書籍などで様々な表記がされております。
このような状況から、現段階においては一つの表記にそろえるのは難しいと考えておりますので、現状を踏まえながら、対処してまいります。
質問要旨
●本県の教育では「子供」でなく「子ども」(まぜ書き)の表記が多いが、教育の現場をつかさどる教育局として、常用漢字表に例示されている漢字を使っていない事実をどう受け止めて、どのように対処するか。
【答弁者】 教育長
答弁要旨
御質問1 「正しい日本語(国語)表記の在り方について」お答えを申し上げます。
漢字を学ぶことは、国語の学習はもちろんのこと、国語以外の教科等の学習、読書活動、更に社会生活全般においても重要であります。
学校では、学習指導要領に基づき、各学年で指導することとされている漢字をしっかり指導しているところでございます。
また、伝統的な言語文化を学ぶため、漢字の持つ意味や内容への理解が深まるように、慣用句や故事成語などの学習と併せて漢字を学んでおります。
こうして学んだ漢字をその後の生活の中で活用することは大切なことであります。
公文用における用字については、知事部局と同様、教育局においても常用漢字表によるものとされております。
この常用漢字表は、法令、公用文、新聞等一般の社会生活において、現代の国語を漢字で書き表す場合の目安として、内閣告示で定められたものであります。
教育局では、公文書の作成に当たり、常用漢字表に揚げられている漢字表記のほか、ひらがなだけの表記や、一部、漢字とひらがなのまぜ書きの表記を使っております。
これは、公文書の種類や読み手の年齢などによって、言葉や表現が分かりやすいかどうか、また、一般的に多く使用されている表記かどうかなどを考慮しているためでございます。
公文書などの作成に当たりましては、今後、知事部局と連携をとりながら対応してまいりたいと考えております。