2018一般質問・答弁書2

一般質問・答弁書   平成30年2月定例会

質問事項

2  自殺対策について

 

質問要旨

市町村の自殺対策計画の策定状況はどうなっているのか。

市町村の自殺対策計画策定に対し、県はどのような位置に立ちアドバイスや手助けをしているのか 。

高校生へのSOSの出し方に関する教育の実現など素早く行うべきと考えるがいかがか。

SNSの悪用にどう対策を講じていくのか。

『暮らしとこころの総合相談会』の利用状況と展望は。

『暮らしとこころの総合相談会』を県が責任を持って実行し、今後に生かしていく必要があると考えるがどうか。

『自殺未遂者への対応の実態把握はどのように進めているのか。

個人情報保護の壁を越え、自殺未遂者を相談機関へと繋ぐ工夫をどのように取っていけるのか。

どのように庁内連携が図られてきたのか、また、今後どのように連携を深めていくのか。

 

【答弁者】 保健医療部長

答弁要旨

 御質問2「自殺対策」についてお答え申し上げます。
 
 まず、「市町村の自殺対策計画の策定状況」ですが、策定済みが1市、平成29年度策定予定が3市町、30年度策定予定が35市町で、31年度以降に策定を予定している市町村が24市町村となっております。

 次に、「市町村の自殺対策計画策定に対し、県はどのような位置に立ちアドバイスや手助けをしているのか」についてございます。
 県では、国の自殺総合対策大綱や、県自殺対策推進ガイドラインなどに基づき、市町村の計画策定に必要な情報提供や助言などの支援を行ってまいりました。
 また、平成29年2月には、市町村長を対象としたトップセミナーを開催し、同年7月には、市町村の担当者を集めた説明会なども実施しております。
 その他、県の職員が直接、市役所に出向き、計画策定について助言を行ったほか、市長会、町村会においても説明を行っております。
 今後も、計画策定について、市町村へのきめ細かな支援を行うとともに、進捗状況についても確認をしてまいります。

次に、「高校生へのSOSの出し方に関する教育の実現」についてでございます。

 若者たちの自殺を予防するためには、様々な困難やストレスを受けた場合の対処方法を身に付けてもらうとともに、信頼できる大人へ躊躇なく相談してもらうことが重要です。
 こうしたことから、県では、高校生に対して、「ひとりで悩まず誰かに相談しましょう。」というメッセージと相談窓口を掲載したカードを作成し、全生徒に配布しております。
 あわせて、「SOSの出し方に関する教育」を実施する際には、保健師や社会福祉士などの参画が重要と言われています。
 そのため、学校と地域の専門家の連携や協力がスムーズに進むよう促してまいります。

 次に、「SNSの悪用への対策」についてでございます。

 SNSについては、地域を超えた全国的な対策が求められることから、現在、国において、事業者等と対策を検討しているところです。
 県としても、国とも連携しながら、悲惨な事件が再び起きないよう、対応を考えてまいります。
 なお、県では自殺対策に関する情報をツイッターに登録し、相談窓口などについての情報を発信する取組を始めました。
 SNSには、現在実施している電話相談や面接相談といった既存の相談支援活動とは異なったノウハウが必要となるなど難しい課題がございますので、今後、どの様な対策が効果的なのか研究してまいりたいと存じます。
 次に「『暮らしとこころの総合相談』の利用状況と今後の展望」でございます。
 平成29年度の2月までの相談者は延べ359人、1回当たりの相談者は16.3人となっています。
 毎回、様々な深刻な相談が寄せられており、県としては事業をしっかりと継続していきたいと考えております。

次に、「『暮らしとこころの総合相談』を県が責任を持って実行し、今後に生かしていく必要がある。」についてです。

 「暮らしとこころの総合相談会」は民間団体に委託しておりますが、毎月、委託先の職員や支援者と打合せを行い、相談会の方針などの検討を行っております。
 こうした検討結果を基に、県として責任を持って運営を行い、今後に活かしてまいります。
 なお、この相談会は、精神保健手駆使しや臨床心理士、弁護士といった専門家や民間団体とのネットワークを作っていく上でも大変重要であると考えております。

 次に、「自殺未遂者への対応の実態把握」についてです。

 県では、平成27年度に、県医師会に委託し、自殺未遂者に関する調査を行いました。
 この調査によりますと、自傷などにより救急医療機関を受診した方の内、精神科に入院又は転送された方が約2割、精神科への受診を勧められた方が約5割となっております。
 今後とも実態の把握に努めてまいります。

 次に、「個人情報保護の壁を越え、自殺未遂者を相談機関へとつなぐ工夫」についてです。

 行政や支援機関であっても、本人や家族の同意なしに情報を相談機関と共有するこ とは困難です。
 そのため、自殺未遂者やそのご家族の方が、悩みや心の問題を相談できる場所などについて入院先で知ることができるよう、パンフレットなどを作成し、救急搬送先の病院に置いていただく予定です。
 また、県では、医療関係者や消防職員などを対象に、自殺未遂者への対応などについて研修を行っています。
 今後も、自殺未遂者やその家族に適切に対応できるよう医療関係者や消防職員等との連携強化に努めてまいります。

 次に、「庁内連携の推進」についてです。

 県では、庁内の関係各課所をはじめ、国の労働行政部局、精神科医師、弁護士、学校関係者及び民間団体などで構成する「埼玉県自殺対策連絡協議会」を平成21年度に設置し、毎年開催しています。
 この協議会では、県内における自殺の実情を基に専門家や関係者などから意見をお聞きし、庁内関係部局間の情報共有、連携を図っております。
 また、県行政として行うべき対策を具体的に検討し、庁内の連携・調整を図るため「自殺対策関係課所連絡会議」を設置し、自殺対策の推進に向け、話し合いを行っています。
 仕事や生活、借金、若者の自殺の問題など、多岐にわたる問題を包括的に支援していくため、引き続き庁内の連携を深めるよう努めてまいります。

なかやしきの思い
 自殺者を本気で減らしていこうとするなら、自殺未遂者への対策を強力に進める必要がある。個人情報保護の理念は大切だが、救急搬送された未遂者が再企図に進まないためには、関係機関の的確な情報共有はどうしても必要だと思う。何とかしていかないといけない。

 

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