令和5年9月定例議会-ご報告

令和5年9月定例議会 ご報告

埼玉県虐待禁止条例の改正(案)の取り下げについて

「埼玉県虐待禁止条例」改正の背景

条例改正は、子供が犠牲になる事件や事故をなくしたい。そのために、行政の取組をもっと強化すること、そしてご家庭や地域での安全点検をあらためてお願いしていくことなどを背景としていました。

条例構成と説明不足(安全への配慮があれば放置ではない)

平成29年から施行されたこの条例には既に下表のとおり第6条1「養護者の安全配慮義務」が規定されています。この規定が前提条件と考え、安全配慮を著しく怠った放置を規制していく構成となっていました。つまり児童だけの外出や留守番であってもほとんどのケースは違反にならないと私共は考えておりました。

しかし、議論のなかでの前提条件の説明が不十分であり、かつ運用段階では県当局がその任にあたりますが、議会が運用するかの如く説明をしてしまいました。このことで、「児童だけの外出や留守番が虐待であり条例違反にあたる」と報道されましたし、社会全体に混乱を生じさせてしまいました。

自民党県議団としての課題と今後について

通常、一年ほどの時間をかけて丁寧に作り上げてきた議員提案条例ですが、今回は議会に提案するまでの時間が約4ヶ月ほどという急ピッチで進められました。このことにより、皆様方からのご意見をお聞きする時間が不足したり、情報の発·受信の方法にも課題があったと考えています。また、個々人の行動に規制や制限を加える事が求められる場合、慎重であり、丁寧であることが何よりも重要であるのに、その点の至らなさも大きな課題ととらえています。そして、安全配慮義務を果たしている養護者の皆さんは、「放置」「置き去り」に当たらないとする場合、改正部分に除外規定を記さねばならないことも履行できませんでした。こうした幾つかの不備が重なっていたこと。そして何より、子育て支援の制度が充足したとはいえない状況の中で養護者の責任を規定するという内容が、現に子育て中の皆様の気持ちに「寄り添う」事にならなかったことも猛省しています。
今後についてですが、現在、「開かれた情報提供」を確立すべく、私が取りまとめ役を務め、パブリックコメントの在り方について県議団内で検討を進めています。こうした検討を基に議会内に新たなルールを設ける方向で進めて参りたいと考えます。議会の監視機能はもとより、政策立案能力の向上にも今まで以上に努めて参ります。

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