2016一般質問・答弁書5

一般質問・答弁書   平成28年12月定例会

質問事項

5  埼玉県の農林水産業の振興について

 

質問要旨

ほ場整備と農業水利施設の整備について、今後どのような目標を持ち、どのように進めて行くのか伺う。

県産農産物ブランドの統一化に対する県の認識と特に県産牛肉のブランドの統一化に向けて県としてどう考えるのか所見を伺う。 

さいたまヨーロッパ野菜研究会の取組をどのように評価し、どのように支援すれば第2、第3の取組を生み出すことができると考えるのか所見を伺う。

 

【答弁者】 農林部長

答弁要旨

 御質問5「埼玉県の農林水産業の振興について」お答えを申し上げます。
 まず、ほ場整備についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、埼玉県における農家1戸あたりの耕地面積は全国平均以下であるものの、耕地面積あたりの産出額は全国17位であるなど埼玉県は比較的高付加価値な農業 が展開されております。
 こうした状況の中、規模拡大やコスト削減などにつながるほ場整備を推進していくことは 、より強い埼玉農業を実現するために、極めて重要と考えております。
 このため、平成28年3月策定の「埼玉農林業・農山村振興ビジョン」では、毎年100ヘク タールの基盤整備の実施を目標としいます。 推進にあたっては、地域の実情に応じ、安い費用で短時間に実施したい地域については、 現在の道路や水路を生かして区画を拡げる「埼玉型ほ場整備」を推進しております。
 また、水田でも畑作物の栽培が可能となる従来型のほ場整備についても、整備内容、経費や工期など地域の声を聴きながら推進しております。
 今後とも、生産者や地域のニーズを踏まえ、国の補助事業など必要な予算を確保し、ほ場整備を計画的に進めてまいります。
 次に農業水利施設などの整備についてでございます。
 大規模な農業水利施設は県内に490箇所あり、その半数は造成後40年が経過するなど、老朽化が進行しております。
 このうち、県が造成し、長寿命化の観点か特に早急に整備すべき40箇所について、主要な農業水利施設の修繕・更新計画であるマスタープランを策定いたしました。
 この40箇所のうち、既に8箇所は対策を終了しており、13箇所については修繕や更新な どの対策を実施中です。
 県といたしましては、今後とも、地域の状況や施設の機能低下の状況などを勘案し、優先順位を付けつつ必要な予算を確保し、修繕や更新を計画的に進めてまいります。
 次に「県産農産物のブランドの統一化に対する県の認識と牛肉のブランドの統一化について」でございます。
 県内には深谷ねぎ、越谷ねぎ、岩槻ねぎなど古くからの産地で、それぞれの特徴を生かした個別ブランドを確立して有利販売に結び付けている品目がございます。
  一方、国内外の産地間競争への対応を考えると、ブランドの統一化を図ることで、知名度の向上や消費拡大に向けた集中的なPRが可能となるなどのメリットがございます。
 県といたしましては、県産農産物のブランドの統一化についてはそれぞれの品目や地域の特性、産地の声などを聞きながら、対応していくものと考えております。
 議員お話しの牛肉のブランドの統一化につきましては、県産牛肉には主に、「武州和牛」 、「彩さい牛」、「深谷牛」、「彩の夢味牛」の4つのブランドがございます。 それぞれのブランドの生産者は、専用の配合飼料を使用し、独自の流通経路を整備するな どと、ブランドに強いこだわりを持っており、現時点では、県内統一ブランドの合意形成 には至っておりません。
 一方、近県の事例として茨城県では、肉質を統一し、県や関係者が積極的にPRを行うことで牛肉のブランド化を図り、常陸牛として輸出などの販路拡大や販売頭数の増加に結び 付けております。
 県産牛肉のブランドの統一化には、コンセプトを定め、飼養方法を各生産者に実践いただくことなどが必要不可欠です。 県としては、ブランドの統一化の具体的な手法を検討するため、生産者などからなる協議 会を立ち上げるなどにより検討を深めてまいります。
 次に、さいたまヨーロッパ野菜研究会の取組についてでございます。
 まず、この取組に対する評価ですが、ヨーロッパ野菜研究会の取組は生産から流通、消費 までの異業種連携により、新たな産地づくりと需要開拓に成功したものであり、県として も高く評価しております。
 成功の要因としては、これまで需要はあるが国産品がなかったヨーロッパ野菜に着目したこと、種苗会社や食品卸会社などの関係者が、生産者としっかり結び付いたことが挙げられます。
 また、県といたしましても、さいたまヨーロッパ野菜研究会に対し、農林振興センターにおいて栽培技術の確立に向けた展示ほ場の設置を行うとともに、県単独の補助事業を活用し育苗施設の整備を支援しているところでございます。
 次に、どのように支援すれば、このような取組を生かすことができるのかですが、県が意欲ある生産者と飲食店、更には流通業者などを結び付けていくことが最も重要であると考 えております。
 県ではこれまでも、地産地消の推進の一環として、例えば、春日部市の在来大豆生産者と県内加工業者をつなげて開発した大豆のコロッケを、市内飲食店での活用を働き掛け、1 3店舗で取扱いをしていただくなどにより、県産農産物の活用を推進してきております。
 今後とも、県内各地でヨーロッパ野菜研究会のような取組が生まれてくるよう、新たな作物の導入支援を行うとともに、生産者と飲食店をはじめとする関係者との仲介役を果たせるよう、しっかり取り組んでまいります。

 

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